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岩手農民大学がTPP公式署名に抗議声明

2月4日にTPP参加12カ国が公式署名をしたことをうけ、岩手農民大学(いわて食・農ネットにも参加)は学長抗議声明を発表しました。
全文を紹介いたします。

                   2016 年2 月4 日
日本政府のTPP協定署名に対する抗議声明
                    岩手農民大学・学長 横山英信
 
1.本日ニュージーランドで行われたTPP(環太平洋連携協定)署名式において,日本
政府は他の交渉参加11 ヶ国政府とともに同協定に署名した。
 同協定に関しては,譲許表の日本語訳が未だ示されていないなど,国民に対する協定
内容の情報提供は極めて不十分である。このような中での署名強行は国民主権を踏みに
じるものであり,許されない。TPP交渉の内容を国民に隠したまま強引に行った昨年
10 月5 日の「大筋合意」に続く安倍自公政権の国民主権侵害に対して強く抗議する。

2.そもそも自民党は2012 年12 月の総選挙で「ウソつかない。TPP断固反対。ブレな
い」を旗印にして勝利したのであり,その安倍自公政権がTPP交渉参加を行ったこと
自体が許されない。加えて「大筋合意」に基づく協定では,農林水産物の全関税分類品
目数の81%で関税が撤廃され,重要5品目(米,麦,牛肉・豚肉,乳製品,甘味資源作
物)さえも関税分類品目数の29.7%で関税が撤廃される。これが自民党・公明党も賛成
した2013 年4 月の国会決議=「(重要5品目についてTPP交渉の)対象から除外また
は再協議の対象とする。10 年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めない」
に違反することは明確である。さらに,協定ではTPP発効後にもさらなる関税撤廃・
引下げに向けた協議ができることになっている。
 そうである以上,同国会決議=「重要5品目などの聖域の確保を最優先し,それが確
保できないと判断した場合は,脱退も辞さないものとする」に従って,政府は署名を撤
回し,交渉から撤退すべきである。

3.安倍自公政権は,憲法規定に基づいて臨時国会開催を要求する野党・国民の声を無視
して国会審議を行わないまま,昨年11 月25 日に「総合的なTPP関連政策大綱」を打
ち出した。国会審議の中で「大筋合意」の内容が国民生活や日本農業に及ぼす影響が明
らかになる前に対策を打ち出し,国民の反発を何とかかわそうという狙いであろうが,
立憲主義を逸脱し,国会を無視した行為は許されるものではない。
 また,昨年12 月24 日に政府が発表した「農林水産物の生産額への影響について」で
は,TPP発効後の国内農林水産物の生産減少率が0%という,目を疑うような試算値
が示された。そこでは,関税撤廃・引下げによる市場価格低下には経営所得安定対策の
充実と体質強化策によるコスト削減等で対応するので生産には影響がないとしている
が,その裏付けとなる財源やコスト削減の具体的方策等は一切示されていない。国民・
農民の批判をかわすことだけを目的とした「辻褄合わせ」はおよそ試算の名に値しない。

4.TPPは農業だけの問題ではない。農業以外の諸分野でもその多国籍企業本位・反国
民的な内容が各方面から指摘されている。より多くの国民がその事実を知るならば,T
PPに反対する国民運動はさらに高まるであろう。
 岩手農民大学は,地域農業・地域経済の維持・発展,農民・消費者・国民の生存権を
守るため,これからも広範な人々と連帯して,TPP撤退,TPP国会批准阻止の運動
に取り組んでいくものである。

以上


日本政府のTPP協定署名に対する抗議声明 pdf版:71kb
by iwanone | 2016-02-05 08:31

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